貸すときに知っておきたいこと
賃貸経営、不動産会社、賃貸条件、入居者対策、税金まで。
不動産を貸すときに必要な基礎知識をまとめました。
5 - 1 賃料、契約条件を決める
査定賃料を踏まえて募集条件を設定する
募集を開始するに当たっては、賃料だけではなく管理費(共益費)、契約時の敷金や礼金、契約期間、その他の条件(ペットの飼育可否など)を詳細に設定する必要があります。 募集条件として、決めておきたい項目は以下の通りです。
募集賃料は、季節要因なども考慮して、妥当な額を設定しましょう。また、一般的に、契約・入居後は簡単に賃料を変更することはできませんので、十分に検討しましょう。
管理費(共益費)の取り扱いは、地域性なども考慮して設定する必要があります。例えば、管理費を賃料に含める傾向がある地域もあります。
契約時の敷金や礼金(地域によって名称が異なる場合があります)の取り扱いも、地域性などを考慮して設定する必要があります。住宅の場合、一般的には月額賃料の1~2ヶ月分ですが、全く授受しない場合もあります。また、通常は返還される敷金ですが、敷金の一部を返還しないことを契約条件とする取引慣習があ る地域もあります。
契約期間の扱いについては、「普通借家契約(一般的な賃貸借契約)」と「定期借家契約(定期建物賃貸借契約)」のいずれの契約形態によるかで異なります。 将来もう一度住む予定があるのか、住む場合はいつ頃なのかなど、貸主の事情を踏まえて選択し、契約期間を設定する必要があります。
借り主が火災や水漏れなどを起こした際に備え、借り主の損害保険への加入を契約の条件とすることが多いようです。
一般的には、借り主の親族などを連帯保証人として契約しますが、保証人がいない場合には保証会社を利用してもらう方法もあります。借り主によっては、連帯保証人を立てることができない場合もありますので、仲介を依頼する不動産会社と相談するとよいでしょう。
ペットの飼育可否などの部屋の利用条件、駐車場、駐輪場の使用条件、その他条件があれば明確にしておきましょう。近年は、入居時に室内の一部(壁紙など)を変更できたり、DIYできたりするカスタマイズ(DIY)を認める事例も増えています。

賃貸の季節的変動要因を知る
賃貸では、季節によって住まいを探す人が多い時期、少ない時期がありますので、季節的な変動要因を考慮して賃貸条件を決める必要があります。
一般的に、住まいを探す人が多いのは、1月中旬から3月中旬までといわれています。これは、新年度や新学期に向けて、4月までに転居しなければならない新 社会人や転勤者、学生などがいるからです。また、学生や単身者、ファミリーなど、住まいを探す人の幅も広く、様々な間取りで入居希望者が多くなります。
4月以降8月までと年末などは、転居が多くないため、入居希望者が少ない傾向にあります。したがって、この時期に住まいを貸す場合には、契約条件を引き下 げることも考えられます。不動産会社によっては、礼金や手数料を設定しない、入居後一定期間の賃料を無料にするフリーレントを設ける、などといった営業促 進策を採る場合もあります。
外国人の民間賃貸住宅への入居の円滑化にむけて
民間賃貸住宅への外国人の入居の需要拡大が見込まれています。正しい知識と民間や行政の様々なサービスの活用によって外国人を円滑に受け入れることは可能です。そこで国土交通省では、賃貸人、仲介業者・管理会社のための実務対応マニュアル「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」を公表しています。このガイドラインでは、外国人が入居する場合の実務対応をQ&A方式で解説し、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、ネパール語の7ヶ国語に翻訳した入居申込書、契約書等の様式を掲載しています。
国土交通省が公表している「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」はこちら
※掲載情報は【不動産ジャパン】 サイトより転記しています。